「全量純米蔵を目指す会」というものをご存じだろうか？
「酒は純米、燗なら尚良し」の名言を残された故・上原浩先生の意思を継いだ酒造りを実践する蔵元同士の会であり、神亀酒造が中心となって技術の向上、原料・資金の調達、合同の試飲会などを開催を目的としている。（ホームページもあります）
「丹沢山・隆」醸す川西屋酒造は、この会の中では他の蔵からも一目置かれるトップメンバー。
上原先生の言葉通り、燗して旨くなるよう熟成を重視した造りで、神亀酒造の「ひこ孫」を目指したという阿波山田錦の２年熟成「丹澤山 麗峰」は当店でも燗酒の定番酒である。
写真右「丹沢山 山廃 足柄若水」
”金太郎”で有名な足柄産の若水という米を使った熟成酒。
低温熟成のせいか、ひねた香りなどは全くなく、５年以上の熟成が味わいにだけ上手く反映されている。
山廃らしいミルキーさはチーズや牡蠣のムニエルなどに合いそうだ。（熱燗でどうぞ）
写真中央「丹沢山 秀峰」
言わずと知れたド定番。
この蔵の特徴である独特の香ばしさが、口に含んだときのふくらみを一歩押し進める。切れはあるのだがこの香ばしさ由来の心地よい余韻が食を誘う。（熱燗でどうぞ）
写真左「隆 純米吟醸 足柄若水」
品のいい甘味・旨味。やはり後半ふくらむと共に押し味のようなものがあり、スッキリした酒質ながらも物足りなさは全くない。
（今のところは冷酒でどうぞ）