先週よりランチを始めた。
下の子が小学生になって少しだけ時間の余裕が出来た妻が手伝いに来られるので、月・火・水・木の11時~13時30分までの営業。
メニューは以前やっていたカレーうどんではなく「カレーライス」。
当面は「チキンカレー」と「キーマカレー」の2種類。
あらかじめ告知せずに始めたので昼時の通行量頼みであるのだが、先週はカレーうどんの時に通ってくれた方が来てくれている。そんな何人かのお客様に聞かれるのは「カレーうどんはいつから始めるのですか?」
うどん屋が昼時にうどんを出すのは当たり前だが、うどん屋が昼にカレーライスだけを出すというのはおかしな事態だ。
それは認知的不協和を呼び起こす。甘くないアイスクリームを食べたときみたいなもので、そのとき人は「甘く感じないのは自分の舌がおかしいんじゃないか」と思うか「そもそもこれはアイスクリームじゃないんじゃないか」と思うかのどちらかであろう。つまり「甘くない」ことと「これはアイスクリームである」ことのいずれかを否定せずにはいられなくなる。
まぁ、何が言いたいかといえば当店は「うどん屋」ではないということ。
ランチのカレーライスは、以前から楽しみで作っていたカレーを食べてもらいたいと思うと同時に、いまだに当店が「潜在的なうどん屋」であることを払拭する効果を期待する経営者の思惑が(ほんの少しだが)ある。
そうここ数年、うどんを打たなくなってから私が得た教訓 :
「当店はうどん屋です!」と旗幟を掲げることはたやすいが、「当店はうどん屋ではありません!」と訴えることはとても難しい。
全く当たり前のことだが、この教訓が人々の差別や偏見の感情、紋切り型での判断など社会に問題をもたらす人間性に目を向けさせる教訓だと言ったらあまりにも手前勝手すぎるだろうか。