「桔梗屋」という企業をご存じだと思う。
「信玄餅」で名高い老舗企業といったイメージだが、最近は当の「信玄餅」ではなくアイスやケーキ菓子などのパッケージに刷られた「桔梗屋」印を見ることの方が多くないだろうか。
先日も山中湖に行かれたお客様から「桔梗屋ビスキュイ」というビスケット菓子をお土産にいただいた。「店長のお子様にどうぞ」という言葉が添えられたにもかかわらず、私も一つ(いや、二つか三つだったか)いただきました。
なるほど、食べたことのあるあの「信玄餅」がイメージできる味。黒密ときなこが混ざった「和」の味わいを「洋」のビスケットで再現したところに新しさもあって、「信玄餅」への郷愁に覚えのない子供達でも奪うように食べていたようだ。
この「桔梗屋ビスキュイ」、包装紙を見てみると製造者が「桔梗屋」とかかれていなかったので調べてみると、桔梗屋が監修した商品であることは間違いないらしい。
アイスやプリンなどといった桔梗屋自社開発・製造の商品のほか、このような土産物やコラボ商品(キットカットなど)の監修も数多く手がけているようだ。
こうした「桔梗屋」の商品開発への旺盛な意欲を支えるところの経営理念を企業サイトで見てみると、「地球上でもっともお客様を飽きさせない企業であること」とはっきりと宣言されている。「黒蜜ときなこの味」でもって人々を楽しませる新しいビジネスをつぎつぎと拓くというミッションが、この企業の卓越した商品開発の原動力となっているのだ。
もう一つ、最近気になる企業が「成城石井」というスーパー。
テレビで「成城石井」の商品開発の現場が紹介されていた。昨年にヒットした商品を今年も再び出すようなことは決してしないで、それを上回る価値のものを開発するという姿勢はファナティックなほど。こちらの経営理念ものぞいてみると、商品の良さこそがお客様を幸せにするという信念がはっきりとうかがえる。
新しく、かなり価値の高い商品であれば、その商品には開発した人間の創造性が見いだされる。私たちが楽しく、快適に、幸せに暮らせるのも人間の持つ創造性の恩恵を受けているからだといってもいいと思う。
そしてこの創造性の発揮には信念とともに支えや応援が必要。社会の中の創造性の総量は我々の購買行動にこそかかっている。